一人の患者さんにしっかり向き合う
医師としてのキャリアを歩み始める当初、専門領域を決める際、はじめは外科系考えました。外科系は、内科医が診断をつけた患者の手術を担当し、その後ターミナルになった患者さんを内科に戻して化学療法を行っていただくなど、役割分担がとても明確な場合が多いです。
しかし、自身の希望として、内科的な診療も一貫して担当したいという思いがありました。そこで選んだのが泌尿器科です。泌尿器科は、内科的な診療も外科的な診療もあり、ことがんにおいては、診断から手術、術後の管理まで、一人の患者さんに長く総合的に関われます。こうした特徴が自分の志向に合致し、これまで泌尿器科を専攻しています。
人生を決める出会いを逃さないこと
初期臨床研修では民間病院に配属され、スーパー・ローテートによる研修を受けましたが、その病院で出会った恩師に「これからは医局の時代ではない」というアドバイスをいただいたこともあり、今後の自身のキャリアを考え、その病院に残ることを決めました。結果、10年ほど勤務しましたが、他科との繋がりもでき、様々な知識やスキルを習得することができました。
その後、研修でお世話になった現在当院の副院長である木下先生が声を掛けてくれたことがきっかけで、徳洲会グループの成田富里徳洲会病院に移りました。徳洲会に行けばダ・ヴィンチもでき、腹腔鏡手術も自分でやらせてもらえ、更なるキャリアアップが図れると思い転職を決意しました。異動する前に徳洲会の研修費用でダ・ヴィンチ手術の認定ライセンスを取得させてもらい、入職したら即ダ・ヴィンチができるよう準備をしてくれていました。もし医局に所属したキャリアを選んでいたら、こんなに早くダ・ヴィンチに触れることはできなかったと思います。
その後、当時成田富里病院時に勤めていらした当院の院長である立川先生と出会い、先生の腹腔鏡手術のスキルを更に学びたいと思い、立川先生のご異動に伴って当院に赴任しました。
立川院長は、「トラブルになりそうになったらしっかりフォローするから、まずは自分でチャレンジしてみなさい」という方針で、短期間に数多くの経験を積ませていただきました。それにより、短期間で大幅な手術手技のステップアップに繋がったと実感しています。
当院では、周囲の先生方やメディカルスタッフの協力を得ながら、自らのビジョンを持ち、それを実行することが当然のこととなっています。何事にもフットワークが軽く、好奇心旺盛で早期の自立を目指されたい方には、とても適した環境だと思います。
ジェネラリストを目指しながら、
専門領域を見つけていくサポート
医局に残るか残らないかをよく質問を受けますが、医局に所属することで研究などの学術的な取り組みが行いやすくなるなどのメリットは多くある一方、関心のある様々な症例に関われる実臨床の経験をいち早く多く積める環境は医局ではなかなか得難いと思います。
また、自分の目標となる先生と出会えたとしても、その先生が異動した際に、医局では気軽にその先生に付いていくことは難しいでしょう。医局に所属しない、という選択は、こうした医局人事に囚われることなく、自由にキャリアを選択したい場合にもメリットがあると思います。
現在、多くの急性期総合病院の多くは「餅は餅屋」として他科の専門家にすぐにコンサルトする流れがあります、しかし、当院では総合診療に注力しており、初診を受け持った医師は所属する診療科やその領域に縛られず、どのような疾患でも初期診察に対応でき、より専門的な診療が必要な場合にその専門科に相談する、という体制があります。
例えば、泌尿器科の専門医を目指すにしても他科を目指すにしても、初期対応ができ、さらにその先に専門性があるという医師像は、これからますます必要になってくるのではないかと思います。
当院の総合診療専門研修プログラムは、まさにジェネラリストを目指しながら専門性を見つけられるようなプログラムを用意しています。そのため、専攻したい診療科が決まっている場合はもちろん、まだ決めかねている方には、是非一度当院の見学をしていただければと思います。