
コラム

「チガトク」を支えるスペシャリスト① 皮膚・排泄ケア認定看護師Y・Aさん
今回の「チガトク看護部通信」は、皮膚・排泄ケア認定看護師として
「チガトク」を支えるAさんのインタビューをご紹介します!
スペシャリストを目指したきっかけ、これからのキャリア、そして「チガトク」の魅力などなど…
「チガトク」で活躍する看護師のリアルな本音です。是非読んでみてください!
看護師紹介:Y・Aさん(看護師キャリア23年目)
看護専門学校卒業後、新卒で急性期病院に入職。
キャリア8年目で皮膚・排泄ケア認定看護師取得。病棟管理者・看護管理者を経験後、2022年当院に入職。
患者さんのために挑戦し続ける
看護師として働き始めた当初は緩和ケアに興味を持っていました。そんななか、2年目に病棟で褥瘡とストーマケアチームの担当に指名され、はじめは緩和ケアチームの担当になれなかったことに落胆。でも、やるからには成果を出そう、学びを深める機会にしよう、と考えなおし、前向きに取り組むようになりました。
担当になって間もなく、ある患者さんから「私でストーマケアを学んでくれ!」とお声掛けいただきました。ところが、ストーマ装具の貼付に1時間もかかり、さらには30分程度で排泄物が漏れてしまって…。患者さんのあたたかい気持ちに応えたいのに、それができない自分がとても悔しかったことを今でも思い出します。
そんな時、先輩看護師が「がん性疼痛認定看護」の資格を取得し、医学的根拠に基づく専門的なケア提供をしているのを間近に見て、わたしも高度な褥瘡・ストーマケアを実践できるようになりたい!と思いました。これが皮膚・排泄ケア(WOC; Wound, Ostomy and Continence Nursing)認定看護師を目指す最初のきっかけです。
ある時、大学病院に転院となる患者さんのストーマケアの経過を可視化するために、それまでの経験と知識を集結してサマリーを作成したことがあります。その患者さんが治療を終え転院で戻ってきた時、大学病院のWOCナースから「患者さんをよく見ていますね」とコメントをいただきました。これまでの自分の努力は間違っていなかった!もっと患者さんのために学びたい!と励みになり、WOC認定看護師資格の取得を決意しました。患者さんへの想いを忘れずにチャレンジした結果、数年後に無事合格できました。
患者さんの想いのために最後まで諦めない
WOCナースとして特に記憶に残っている患者さんがいらっしゃいます。大腸がんストーマ造設を受けた60歳代男性の患者さんです。進行がんで腹部にがんが浸潤し、そこからの便排泄があり、ストーマ装具の貼付が難しい状態でした。患者さんはお孫さんも暮らす自宅での療養を希望されていました。うまくいかず正直何度も諦めかけました。色々調べていくと、観賞魚水槽用の空気ポンプを改造し陰圧をかける方法を実践されてるいることを知りました。この装置を用い、陰圧をかけることで便の漏れが抑えられ、3日に1回の装具交換で済むようになりました。往診医、訪問看護師、がん性疼痛認定看護師などの協力もあって、ご本人の希望どおり最期までお孫さんの声を聞きながら自宅での看取りにつなげることができました。患者さんが亡くなられたあと、奥様とお孫さんから自宅で看取ることができたことへの感謝の言葉をいただけたことが思い出されます。
WOCナースとして次のステップへ
以前の職場では病棟管理者としての役割を担う中で、WOCナースとしての活動が思うようにできませんでした。そんな日々を通じ、もう一度現場のスタッフとして働き「看護を楽しみたい」という思いが強くなり、転職活動を考えるようになりました。
私が転職先に求める一番の条件は、これまで培ったスキルや経験を活かせ、やりがいを感じられることができ、組織にも貢献できることでした。
WOCナースとして実現したい看護はたくさんあります。
患者さんとの十分なコミュニケーションによってストーマ造設後の生活に自信が持てるようにサポートすること。
病棟看護師も一緒になって、研究的な視点もふまえてWOCの知識・技術を深めること。
院内外の関係者と症例検討会などを通じWOCの課題解決を行うことで、より良い医療・介護が提供できる地域づくりに貢献すること。
などなど…。
転職先を検討している中、自宅から通いやすい「チガトク」でWOCナースのスキルが活かせそうな環境があることがわかり、「チガトク」への入職を決意しました。
「チガトク」ではWOCナースとして様々な取り組みにチャレンジをしていきたいと思っています。個人的なキャリア形成として、一般看護師よりも一歩踏み込んだ医療処置が可能な「診療看護師」の資格取得を目指しています。「チガトク」は急性期から慢性期をカバーする地域包括ケアの重要な役割を担っています。その中で看護と医療の架け橋となる「診療看護師」の役割は今後ますます大きくなるはずですし、とてもやりがいがあると感じています。
より良い病院に向けたチャレンジ
「チガトク」は中途採用者も多く、看護キャリアを積んだスタッフも数多く在籍しているため、一人ひとりが自立している印象があります。それぞれがこれまでに経験してきた様々な看護スキルや知識をお互いに共有し、学べる環境があると思います。
また、医療や看護の質の向上においては投資を惜しまないと感じます。細かいことですが、現場で必要と思われる物品はしっかり購入してもらえます。本人のキャリアパスを尊重した上で、病院が必要と判断した資格の取得サポートも手厚く、患者さんファーストのために病院が努力していると感じます。
一方で、改善すべき点が多くあるのも事実です。固定チームナーシング制の良さを活かしきれていないと感じたり、カンファレンスが少なく事例や知識の共有に物足りなさを感じたり。でも、こうした意見にも耳を傾けてくれる開かれた雰囲気があるので、看護部全体がどんどん成長していく期待感があります。
現在、看護部長が中心になり、看護スキル向上とスペシャリスト人材の育成に注力しています。「チガトク」看護がよりよくなるために、私自身も管理職と認定看護師の経験を活かして組織力の向上に貢献できればと考えています。
「チガトク」を一緒に盛り上げていきませんか
「チガトク」は2015年に病院が新しくなり、とても綺麗で働きやすい病院です。病床数もコンパクトなので、スタッフ間のコミュニケーションも活発で、「顔の見える」連携が取りやすいです。様々なキャリアを持ったスタッフの経験や知識を持ち寄ることで、この先もっと働きやすく、働き甲斐のある環境になっていくと思います。
まだまだ看護部のアップデートは必要な状況ですが、ご自身のキャリアアップを考えながら、自分らしいペースで、看護にやりがいを感じられる病院だと思います。
是非、「チガトク」看護部で一緒に働くことを検討していただけると嬉しいです!
皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!